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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『うん?』
『…休んでる間の授業のノート、岩本くんから受け取ったわ。なるべく早く写して、返すから…』
「あさひ、すげー頑張ったんだよ」
どうしてか分からないけど、私のために作ってくれたノート。ちゃんとお礼を言わなくちゃ…
『その、ありが…//』
『やだな〜あれはあげるんだよ!全部写すなんて大変でしょ……あぁっ!もしかして、あたしの字を読む方が大変?!気をつけたつもりなんだけど…やっぱ汚かったかなぁ?』
『え…!ううん、読みやすかった。丁寧で、色々まとめてあって…全然、汚くなんかないわよ。』
急に眉を下げて不安そうに聞いてくるから…慌てて否定すると、倉田さんはパッと…花のように笑った。
『良かった〜♪ゆうひに、マドカちゃんのノートは超キレイだって聞いてたから心配だったんだ。じゃあ遠慮なく使ってね…っあ!』
『おーい、ボール!』
『任せて〜!』
途中で、倉田さんは転がってきたボールを拾いに行った。戻って来てから『もー下手くそだよね、こんなとこまで飛ばしてきてさ!』なんて話が逸れて…お礼は言い損ねてしまった。

