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やさしいキスをして?
第10章 番外編

どうしてこんな…
私はただ、授業が受けたいだけよ…
遅れをとりたくないのに…
『マドちゃん?』
だって取り戻せない…
一度遅れたら、取り戻せないから…
はぁ、はぁ…
『聞いてる?マド…え!真っ白??』
だって誰にも頼れない…
私には誰も居ないんだから…
『はぁ、はぁ…』
『何でノート書いてな──…ちょ、マドちゃん?!』
フラッ…
『先生!!マドちゃんがっっっ!!』
最後に覚えているのは、手を挙げて何かを叫んでいる岩本くんの姿と…
『危ないっ!!』
ガターン…!
床に尻もちをついた痛み、上半身を包む柔らかな感触、クラス中の悲鳴……そこで私は意識を手放した。

