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やさしいキスをして?
第10章 番外編


…そうだ!確か、色鉛筆があったはず……!思いたった私はもう一度お腹をひいて、道具箱を引っ張り出した。


『………!』


だけど、あったはずの色鉛筆はケースごと姿を消している。これも一緒に抜き取られたんだ。


こんな風に授業の妨害をされたのは初めて…


ヒソ…
(ねぇ、ちょっとやり過ぎたかな…)
(あれじゃあノートとれないよね…)
(もうそろそろ返してあげる?…あ)


顔をあげて目が合ったのは、いつか、私をテラスで取り囲んだ女子グループの一人。


あの子がやったの……?


『もうみんな写したわね?左半分、消しますよー』


物を隠されるくらい、いくらでも我慢できるのに。なんで授業の邪魔をするの……?


頭が痛い…胸も苦しい…
はぁ、はぁ、はぁ…


『ちょ、待って待って先生──あーーー!!今そこ書いてるとこ〜〜!!』

『岩本くん、言うのが遅いわよ。授業が終わったら、後で誰かにノート見せてもらいなさい。』

『ちぇー!先生、消すの早いんだよ〜!休み時間に写すとか時間もったいねーのに……なあ?てなわけで、今のとこちょっと見せて?マドちゃん♪』




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