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やさしいキスをして?
第10章 番外編


学校では午前中、何事もなく過ごせた。後の授業は二時間だけ…そう思ったお昼休み。


ガラガラ…

『失礼します…』


少し辛くなった私は、保健室に来ていた。


『まあ…38.0℃!園山さん、早退しなさい。お迎えを頼める人は、家に居る?』

『……いいえ。夕方まで誰も居ません…』

『困ったわね…一人で帰らせる訳にはいかないし。座ってるだけでも辛いでしょう?とりあえずはここで、放課後まで寝てなさい。』

『いえ…大丈夫です。休み時間が終わったら、戻ります。帰りも一人で歩いて帰れます。』

『強情ねぇ。明日もあるんだから、無理はしない方がいいわよ?』

『大丈夫です。』


午後、熱があがった。本当は…家にはお母さんも、おじいちゃんおばあちゃんもいる。連絡をすれば、すぐに迎えに来てもらえる状態だったけど。どうしても午後の授業を受けたい私は、嘘をついた。



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