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やさしいキスをして?
第10章 番外編

翌朝───
ピピピピッピピピピッ
『37.5℃…今日は学校、お休みしたら?』
『…ううん、平気。行くわ。』
『それなら午前中だけお休みして、病院へ行きましょう?』
『大丈夫よ、ちょっと体が熱いだけだから。』
『でも…』
『心配しないで?今日は早く帰って、早く寝るようにするから。それと、上履き洗ってくれて、ありがとう…』
翌朝、微熱が出た。お母さんは遅刻してでも病院へ行くよう何度も勧めてきたけど…私は聞かなかった。もうすぐテストもあるし、授業に遅れたくない。
『じゃあ気をつけてね?調子が悪くなったら、すぐに連絡してくるのよ?』
『うん、行ってきます。』
『早めに帰ってくるのよー?』
『はーい』
少し頭がフラフラするけれど、寝込むほどの体調じゃない。朝方の冷えた風。頬っぺたにあたるその風を心地よく感じながら、私はいつも通りに登校した。

