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やさしいキスをして?
第10章 番外編

グルルルル…
『あ、そういえば。』
『『ん?』』
ふと大事なことを思い出して、声をかける。この道に慣れていない二人には、先に伝えておくことが あったんだった。
『この辺りはね…』
だけどちょっと、遅かったみたい。
ゥウゥウヴ…
ヴァンヴァン!!ヴァヴ!ヴァン!
『『ぎぃやぁあぁああぁぁあ!!』』
『…よく吠える犬がいるから気をつけてって…言うのが遅かったわね、ごめんなさい。』
近所の番犬に吠えられて、二人は大騒ぎ。倉田さんなんか、掴んでた私の腕を引きちぎる勢いで締めてくる。
『びびびっくりしたぁあ〜…!!』
『しん…心臓飛び出たかと思った…!あさひもマドちゃんも、大丈夫だったか…?』
声は震えているけど…そう言う岩本くんは、いつの間にか私と倉田さんの前に立っていた。両手を広げて。まるで私達を守る、盾みたいな格好して。
『……優しいのね。』
『『ん?何か言った?』』
『……別に。私の家、もうすぐそこよ。』

