この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第10章 番外編

席について、教科書を用意してたら
『マドカちゃん、おまたせー!』
倉田さんがニコニコしながら寄ってきた。
『理科室はね、西棟の二階の突き当たりにあるんだよ。今日の授業は久々に実験かな?理科の実験ってさ、楽しいよねー?前の時は、ビーカー割っちゃった子がいて、先生が…』
『…倉田さん。』
ノートと教科書をまとめて、机にトンと音を立てる。左側に立って喋り続ける倉田さんに、私はようやく目を向けた。
『うん、何?』
『こういうの、いいから。』
『……?』
『クラスの級長だからって、わざわざ転校生の面倒、見ることないのよ。』
一度はっきり、言った方がいいんだわ。こういうお節介な人って、きっと勘違いしてる。

