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やさしいキスをして?
第10章 番外編


席について、教科書を用意してたら


『マドカちゃん、おまたせー!』


倉田さんがニコニコしながら寄ってきた。


『理科室はね、西棟の二階の突き当たりにあるんだよ。今日の授業は久々に実験かな?理科の実験ってさ、楽しいよねー?前の時は、ビーカー割っちゃった子がいて、先生が…』

『…倉田さん。』

ノートと教科書をまとめて、机にトンと音を立てる。左側に立って喋り続ける倉田さんに、私はようやく目を向けた。

『うん、何?』

『こういうの、いいから。』

『……?』

『クラスの級長だからって、わざわざ転校生の面倒、見ることないのよ。』


一度はっきり、言った方がいいんだわ。こういうお節介な人って、きっと勘違いしてる。



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