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やさしいキスをして?
第10章 番外編

ふぅと一息ついて振り返ると、いつの間にかクラスの女子三人が、私を囲うように立っていた。
『ねぇ、そんな言い方ないんじゃない?』
『そこは普通、“ありがとう”ってお礼を言う所でしょ?』
『せっかく あさひちゃんが、誘ってあげてるのに。』
三人は通せんぼうするように、私の前で踏ん反り返る。…今のやりとりを聞いていたのね。
『別に…私が頼んだ訳じゃないもの。』
目を伏せたままそれだけ言って。あとは脇をすり抜けて、サッサと教室に入った。
私の態度が気に入らないらしいけど。だけどこっちは、むしろ迷惑してるのよ?
『うわ、何あれー!』
『生意気ー!絶対 性格悪いよね、あれ!』
『もう放っとこー!だからいつまで経っても、友達ができないんだよ!』
聞こえはしたけど…私は振り返らなかった。だって、それでいいの。私はこの学校の、誰とも仲良くなりたくないんだから。

