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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨
………………………
「秋雨っ…凛ちゃんは?」
後から来た仁さんが病院へと到着する。
「大丈夫…貧血だって。」
安心したような仁さんの表情に
俺もその時初めて息をまともにしたような気がした。
「隼人君が言ってたんだ…
体調があまり良くないって…
気付いてやれなかった。」
頭を抱えて項垂れる俺に
仁さんは優しく肩を叩いた。
「秋雨…凛ちゃんはお前を責めたりしないさ。」
待合室にいた俺たちに看護師が声をかける。
「五十嵐さんのご家族ですよね?
目が覚められましたよ?」
ユックリ、ドアを開けると
凛ちゃんがそこには寝ていた。
近づくと、あの時とは違う
顔色も大分いい。
腕に点滴が繋がってはいるが…
あの青白さはもう、見たくはない。
「凛ちゃん…無理させてごめんね」
「秋雨…ごめんね。ビックリしたでしょ?」
横に座るとそっと凛ちゃんは手を伸ばす。
その手を取ると温かいいつものぬくもりだった。

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