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Only you……
第3章 麻都 2

 ブルルルッ――

気分良くエンジンをかけ、マンションの地下駐車場を出発する。今朝は明と話していない。と、いうのも、明が爆睡していたので俺はそのまま置手紙を残してきたからだ。朝食は一人暮らしのときと変わっていないが、サラダには明特製のドレッシングをかけるようになった。トーストにつけるジャムも、明が作ったものだ。随分と充実した内容になったもんだと、俺自身思う。

会社まで近くなったおかげで、帰宅時間が早くなり明といられる時間が増えたと思う。もともとそれが狙いでもあったから、万事オッケーだ。

いつもの俺の縄張へとたどり着く。先に来ていたりんがドアを開ける音で顔をあげた。

「あ、副社長。大丈夫でしたか?」

立ち上がりかけよりながら、俺の鞄を受け取り、上着を脱がしてゆく。

「ん、大丈夫。ただの風邪だよ」

俺は笑って答えた。

「……本当ですか?」

「ホントだよ」

一瞬ぴくりと眉が痙攣を起こしたのに、りんは気付いただろうか。俺が嘘をついたときの癖だ。――きっと、付き合いの長いりんのことだ、気付いたに違いない。

「……分かりました。無理はしないで下さい。アレが再発しては困ります」
 
――やっぱりバレてるか。

「誰が困るんだ?」

「私です」

あっさりと言われた答えに、俺は「はいはい」と返事をしておいた。俺はいつもりんに助けられてきた。家族を失ってから、社長のおっさんと、その恋人の透真、それからりんは、俺の家族のようになっていた。

「昨日お休みになられた分まであるので、頑張ってくださいね」

りんの笑顔に恐怖する。こういうときは、嫌なことがあるに決まってる。

「はーい、頑張りますよ」

下手な役者のように棒読みの台詞。

「明くんとは、仲良くやってますか?」

「ん?」

突然話題を変えられ、俺は自分の席から身を乗り出した。
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