この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Only you……
第3章 麻都 2
目が覚めると、もう夜だった。こんなにゆっくりと寝たのは久しぶりだった。いつも5時間睡眠で多い方だったのに、今日はいったい何時間寝たのだろう。寝すぎで体がだるいくらいだ。

「お腹減らない?」

「んーそうだな」

明の問いに、俺は腹をさすりながら答える。キッチンへ向かおうとする明を引き止め、俺はある提案をした。

「外食にしないか?」

「……食べに行くの?」

明は怯えるような目をする。小動物の目だった。

「フレンチなんだけど、行き着けで仕切りを置いてくれる店があるんだ」

「……」

上目遣いに俺を見つめる。

「なかなか美味いよ」

「……じゃあ行く」

明はこくんと頷いた。


すっかり体調もよくなり、軽くシャワーを浴びた俺は車を発進させた。

目的の店は車で20分ほどの場所にある。白い外壁は高級感をかもし出している。中の雰囲気も落ち着いていて俺はとても気に入っている。

明は緊張していた。俺がいくら声をかけても、まともに返事を返せないようだった。店内に入り、その緊張はピークに達したようで、何もないところでつまづいて転びそうになったのを、俺が支えたりもした。慣れないスーツを着せたせいで、余計に動きがギクシャクしていた。

店の端の一角を仕切りで区切り、他の客とは顔を合わさなくてもいいようにしてもらう。その中に入ると、明はやっと口を開いた。

「こんな店だとは思わなかった……」

その言葉には、かるーく後悔も含まれているようだった。――いや、軽くないかもしれない。

料理が運ばれてきても、明はなかなか手を付けようとしなかった。ナイフやフォークをどれから使っていいか分からないらしい。俺はナプキンの使い方から、なにから、明に教えながら、ゆっくりとした優雅な食事を楽しんだ。途中明にワインを勧めたが、酒を飲んだことがないからいいと言って断られた。

「はぁ、苦しい」

すっかりご機嫌の明を連れて、家路につく。初めこそ嫌がっていたが、今ではすっかり満足したようだった。口に合ってよかったと、俺は内心ほっとした。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ