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Only you……
第3章 麻都 2

目が覚めると、もう夜だった。こんなにゆっくりと寝たのは久しぶりだった。いつも5時間睡眠で多い方だったのに、今日はいったい何時間寝たのだろう。寝すぎで体がだるいくらいだ。
「お腹減らない?」
「んーそうだな」
明の問いに、俺は腹をさすりながら答える。キッチンへ向かおうとする明を引き止め、俺はある提案をした。
「外食にしないか?」
「……食べに行くの?」
明は怯えるような目をする。小動物の目だった。
「フレンチなんだけど、行き着けで仕切りを置いてくれる店があるんだ」
「……」
上目遣いに俺を見つめる。
「なかなか美味いよ」
「……じゃあ行く」
明はこくんと頷いた。
すっかり体調もよくなり、軽くシャワーを浴びた俺は車を発進させた。
目的の店は車で20分ほどの場所にある。白い外壁は高級感をかもし出している。中の雰囲気も落ち着いていて俺はとても気に入っている。
明は緊張していた。俺がいくら声をかけても、まともに返事を返せないようだった。店内に入り、その緊張はピークに達したようで、何もないところでつまづいて転びそうになったのを、俺が支えたりもした。慣れないスーツを着せたせいで、余計に動きがギクシャクしていた。
店の端の一角を仕切りで区切り、他の客とは顔を合わさなくてもいいようにしてもらう。その中に入ると、明はやっと口を開いた。
「こんな店だとは思わなかった……」
その言葉には、かるーく後悔も含まれているようだった。――いや、軽くないかもしれない。
料理が運ばれてきても、明はなかなか手を付けようとしなかった。ナイフやフォークをどれから使っていいか分からないらしい。俺はナプキンの使い方から、なにから、明に教えながら、ゆっくりとした優雅な食事を楽しんだ。途中明にワインを勧めたが、酒を飲んだことがないからいいと言って断られた。
「はぁ、苦しい」
すっかりご機嫌の明を連れて、家路につく。初めこそ嫌がっていたが、今ではすっかり満足したようだった。口に合ってよかったと、俺は内心ほっとした。
「お腹減らない?」
「んーそうだな」
明の問いに、俺は腹をさすりながら答える。キッチンへ向かおうとする明を引き止め、俺はある提案をした。
「外食にしないか?」
「……食べに行くの?」
明は怯えるような目をする。小動物の目だった。
「フレンチなんだけど、行き着けで仕切りを置いてくれる店があるんだ」
「……」
上目遣いに俺を見つめる。
「なかなか美味いよ」
「……じゃあ行く」
明はこくんと頷いた。
すっかり体調もよくなり、軽くシャワーを浴びた俺は車を発進させた。
目的の店は車で20分ほどの場所にある。白い外壁は高級感をかもし出している。中の雰囲気も落ち着いていて俺はとても気に入っている。
明は緊張していた。俺がいくら声をかけても、まともに返事を返せないようだった。店内に入り、その緊張はピークに達したようで、何もないところでつまづいて転びそうになったのを、俺が支えたりもした。慣れないスーツを着せたせいで、余計に動きがギクシャクしていた。
店の端の一角を仕切りで区切り、他の客とは顔を合わさなくてもいいようにしてもらう。その中に入ると、明はやっと口を開いた。
「こんな店だとは思わなかった……」
その言葉には、かるーく後悔も含まれているようだった。――いや、軽くないかもしれない。
料理が運ばれてきても、明はなかなか手を付けようとしなかった。ナイフやフォークをどれから使っていいか分からないらしい。俺はナプキンの使い方から、なにから、明に教えながら、ゆっくりとした優雅な食事を楽しんだ。途中明にワインを勧めたが、酒を飲んだことがないからいいと言って断られた。
「はぁ、苦しい」
すっかりご機嫌の明を連れて、家路につく。初めこそ嫌がっていたが、今ではすっかり満足したようだった。口に合ってよかったと、俺は内心ほっとした。

