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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
「も……もう、ダメ……。」


激しく動く樹ちゃんに、


やっとの思いで、わたしは伝えた。


それでも、樹ちゃんは動いたまま。


「あ……、んっ、やっ……。」


わたしの呼吸が浅くなる。


「あ、あ……樹……ちゃん……もう。」


どうにかないそうで……。


「もう……やめ……て。あ……ん~~。」


くぐもった声、潤んだ目……


そんなわたしの様子をみて、


ようやく樹ちゃんの動きが止まった。


「だめ?」


樹ちゃんが、わたしを見つめた。


肩で息をしているわたしは、


ゆっくりと頷いた。


樹ちゃんは、わたしのおまんこから


おちんちんを抜いて


「しんどかった?」


と、聞いて、


触れるだけの優しいキスをした。


「………、樹ちゃん……すごいから。」


はにかみながら、わたしは答えた。


樹ちゃんは、わたしの横にきた。


「また、後で、いっぱいしようね。」


そう言って、目をつぶった。


わたしは、少し、右に傾いた。


そこに、


樹ちゃんがいる……。


樹ちゃんの右腕に少し触れるように


体を寄せた。


樹ちゃんの……眠っている顔を見るのは


年に1回だけ……。


今日が、その日なんだね。


来年もこうして、一緒にいれるのかな。


このホテルの窓から見える


東京タワーを


あなたと見ることができるのかな?


また、


こうして


あなたの寝顔を


見つめることができるのかな?


わたしは


毎年、毎年……


そんなことを思っているんだよ。


不確かなわたしたちの……


未来を想うことは……


贅沢なことだと思うから。


今、


この一瞬を


心に刻み込むしか……


わたしにはできないのだから。


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