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喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜


「………!」


ドキッと心臓が鳴る。

と、突然、どうして……?


「……今日は、しないんじゃないの?」

「しない。抱きしめるだけ」


……驚いて言葉を失うと
莉央は手を伸ばして、そのままぐっと私を引き寄せた。


「………っ///」


莉央の片手にすっぽりと包まれてしまった。

自分の両腕を抱え込み、その胸に顔を埋める。


……し、心臓が……!

こんなに密着してるから、絶対聞こえてる。


「………」


莉央の心臓の音も響く。

体を包む細くて引き締まった腕。
その手が私の頭を優しく撫でるから



……どうしてだろう。

なんだかとっても

切なくなってきてしまう………




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