この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜

・・・いやいや。
「さすがに2日は無いでしょ。
もうちょっと傷心して落ち込んでたわよ…」
「お前はいつもそうだ。失恋するとすぐに次に進む。
女は ‟ 上書き保存 ” っていう、まさに典型的パターン」
「失礼ね、その時その時がいつも真剣なのよ。
それに上書きしてるんじゃなくて、ちゃんと ‟ 思い出フォルダ ” に移してるわ」
自分で言うのもなんだけど、私は昔から惚れやすい。
優しい・穏やか・おっとり……この理想の三拍子が揃っていれば、大抵好きになってしまう。
そして、強気でざっくりした性格の私とは合わずに、毎回フられるという結末。
莉央に似ていない翔ちゃんも、最初は理想のタイプだったはずなんだけどな……
「沙月」
隣りから莉央の低い声。
再び横を向くと、莉央が掛布団を広げた。
「こっち来い」

