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喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜

* * *
─── 私って、やっぱり強い女なのかもしれない。
数時間前まで、狂うほど芹澤さんへの想いで溢れていたのに
さっきまであんなに喚いて泣いていたのに
今は自分でも驚く程穏やかで、心が落ち着いている。
……ちゃんと泣けたから、こんなにスッキリしたのかな。
芹澤さんからハッキリ、彼女に出来ないって断言されたし。
もう悩む理由も、迷う必要もないもんね。
「………」
………違うでしょ。
素直に泣けたのも
今こうして、失恋の悲しみから救われたのも……
「莉央」
「……」
「まだ、起きてる?」

