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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
その巨木は、塔になっているとも言われるが近づいた者がいないため不明だ。

さらに深い密林が大木の周囲に生い茂り、近づく者は密林に生息するモンスターに食い殺させてしまう。

「ダーベラ様! あれを」

クローターは指差した先には、先ほどアズダールが話したオーグルたちが血まみれで倒れていた。
まるで、何者かと戦った後のようだ。

「まだ、新しいな…これほどの戦闘能力を持ったオーグルが束になっても勝てない相手がいるのか?」

ダーベラは、オーグルの死体に近付いて傷口を確認した。
首を絞められた者、武器を奪われたのだろうか?剣を心臓に刺された者、棍棒で頭を潰された者…

「この戦い方は…モンスターではありませんね。
アルラウネです…ヤツは大木に向かったのでしょうか?」

アズダールは、壮絶なオーグルの戦士たちを見て伝えた。

「誰か生きている者がいたら村まで運んでやろう」

ダーベラの指示に部下たちは驚いた。
以前のダーベラは冷酷な指導者でもあったからだ。



「残念ですが…生きている者はいません」

部下たちの報告でダーベラは、ため息をついた。
生存者がいないことと、自らの使命に。

「大地母神よ…彼らに安らかな眠りと夢を…」

ダーベラはオーグルたちの前で胸に手を当てる敬礼をした。
部下たちもだ。

―‐ザザザッ
草陰から、血の匂いに嗅ぎつけたモンスターが現れた。

「ダーベラ様、シェロブです」

シェロブは大型の毒蜘蛛である。
本来は洞窟などに生息し、獲物を待ち受けるのだが…。


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