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~散花~
第14章 前夜
「少し違和感があるやもしれませぬが、力を抜いて楽にしてください」
そう言う典医の右手には、陶器の筒が握られていた。中指くらいの太さだ。
「これを使って、漿を採取いたします」
玉蘭の穴を左手でこじあけ、筒の先端を捩じ込んでくる。
「…っつ…」
まだ充分に濡れきっていない状態で弄られ、ギリギリと痛みが広がった。
「少々お待ちを」
典医が立ち上がり、触診處を出て行った。すぐに、椀を持って戻ってくる。
「煎じ薬じゃ。苦いが、いっきに飲み干しなされ」