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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

「…………つーか、今更だけど、母親が熱ある時の母乳って飲ませても平気?」
「え?」
「愛里咲、39度越えてる」
「嘘! いつから⁉︎ 」
琉の言葉に、自身のオデコへと伸ばした手に、柔らかな布のようなものが触れる。
「俺が知るかよ。帰ってきた時に触ったらすげー熱かった」
そう言って愛里咲のオデコからすっかり温くなった熱冷ましのシートを剥がす琉。
「ありがと…」
涙と共に込み上げてくる ”想い”
「赤ん坊用だから不恰好だけどな」
そう言って笑う琉に、
「……ありがと…っ…」
起き上がった愛里咲は抱き着いていた。
「……あんま無理すんな」
「っ、ありがと……」
陽花を片手で支え、もう片方の手で愛里咲の頭をポンポン優しく叩く琉に、愛里咲の瞳からは益々涙が溢れ出す。
「琉ちゃんが優しいと…っ、後が怖いっ…」
顔を埋めたまま、半分本音の照れ隠しを口にする愛里咲。
そんな愛里咲の涙を拭うかのように、その頭を胸に引き寄せた後、
「…………10倍返ししろよ」
どこか優しくすら感じる意地悪な笑みを浮かべ、琉は呟いた。
「え?」
「愛里咲、39度越えてる」
「嘘! いつから⁉︎ 」
琉の言葉に、自身のオデコへと伸ばした手に、柔らかな布のようなものが触れる。
「俺が知るかよ。帰ってきた時に触ったらすげー熱かった」
そう言って愛里咲のオデコからすっかり温くなった熱冷ましのシートを剥がす琉。
「ありがと…」
涙と共に込み上げてくる ”想い”
「赤ん坊用だから不恰好だけどな」
そう言って笑う琉に、
「……ありがと…っ…」
起き上がった愛里咲は抱き着いていた。
「……あんま無理すんな」
「っ、ありがと……」
陽花を片手で支え、もう片方の手で愛里咲の頭をポンポン優しく叩く琉に、愛里咲の瞳からは益々涙が溢れ出す。
「琉ちゃんが優しいと…っ、後が怖いっ…」
顔を埋めたまま、半分本音の照れ隠しを口にする愛里咲。
そんな愛里咲の涙を拭うかのように、その頭を胸に引き寄せた後、
「…………10倍返ししろよ」
どこか優しくすら感じる意地悪な笑みを浮かべ、琉は呟いた。

