この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第9章 弟の元カノ

忘れられる訳がない。
高校時代、愛里咲と付き合うために琉は芙美と別れた。
その後、琉と付き合い出した愛里咲は芙美やその周りの女子から散々嫌がらせを受けたのだ。
「あの頃はさぁ、琉を取り返したくて愛里咲に意地悪しちゃったけど…結婚したんじゃ仕方ないね」
芙美から琉を奪った…
そう言われてしまえばその通りだ。
だから、嫌がらせにも耐えてきた。
でも、
( ”結婚したんじゃ仕方ない” って……芙美ちゃんはまだ琉ちゃんに未練があるの?)
ズキズキと痛みを増す頭を片手で押さえながら、愛里咲は不安げに芙美を見た。
言い返せない愛里咲の代わりに、芽衣が語気を強める。
「………ていうか、この子が琉くんの奥さんてわかってんだよね? よく平然と ”琉” って呼び捨て出来るね」
芽衣の言葉に、芙美は呆れたような笑みを浮かべた。
「愛里咲はそういうの気にする?」
「……う、ん」
俯く愛里咲を見下ろす芙美の表情は完全に楽しんでいるようだ。
「ごめんごめん。忘れられない元カレだからさ。それに、あの頃は他の女より琉と深い仲だったから、つい…ね」
「はっ…深い仲って……無神経な女!」
芽衣が苛立った声を上げた。
「ははっ、ハッキリ言うね〜。全然気にしないけど」
そう言って余裕そうに微笑む芙美に、
「ムカつく〜‼︎ 何この女!」
小声でそう言って、芽衣はテーブルの下の足を苛立たしそうに数回バタバタとさせた。
高校時代、愛里咲と付き合うために琉は芙美と別れた。
その後、琉と付き合い出した愛里咲は芙美やその周りの女子から散々嫌がらせを受けたのだ。
「あの頃はさぁ、琉を取り返したくて愛里咲に意地悪しちゃったけど…結婚したんじゃ仕方ないね」
芙美から琉を奪った…
そう言われてしまえばその通りだ。
だから、嫌がらせにも耐えてきた。
でも、
( ”結婚したんじゃ仕方ない” って……芙美ちゃんはまだ琉ちゃんに未練があるの?)
ズキズキと痛みを増す頭を片手で押さえながら、愛里咲は不安げに芙美を見た。
言い返せない愛里咲の代わりに、芽衣が語気を強める。
「………ていうか、この子が琉くんの奥さんてわかってんだよね? よく平然と ”琉” って呼び捨て出来るね」
芽衣の言葉に、芙美は呆れたような笑みを浮かべた。
「愛里咲はそういうの気にする?」
「……う、ん」
俯く愛里咲を見下ろす芙美の表情は完全に楽しんでいるようだ。
「ごめんごめん。忘れられない元カレだからさ。それに、あの頃は他の女より琉と深い仲だったから、つい…ね」
「はっ…深い仲って……無神経な女!」
芽衣が苛立った声を上げた。
「ははっ、ハッキリ言うね〜。全然気にしないけど」
そう言って余裕そうに微笑む芙美に、
「ムカつく〜‼︎ 何この女!」
小声でそう言って、芽衣はテーブルの下の足を苛立たしそうに数回バタバタとさせた。

