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ラブカルチャースクール 2
第25章 M Lesson 9回目
カチャ…

着替え終わって、ハナブサが待っている控え室のドアをおずおずと開ける。

「琴海さん、大丈夫ですか?」

ピシッとスーツと眼鏡姿になったハナブサが、無表情だけど心配そうに近付いてきてくれた。

「あ…大丈夫です…先ほどは有難うございました…」

まともに歩けなかった私をハナブサは、シャワールームまで連れて行ってくれたのだ。

ヤナセ同様

「お手伝いしますか?」

と聞かれたが、丁重にお断りしたらすんなりと引いてくれた。

ヤナセだったらシャワーは勿論、着替えまで手伝ってきたかもしれない。

レッスン担当がヤナセの時は、気を付けようっと…。

ゆっくりと歩きながら、何とかソファーまで辿り着くと、テーブルに綺麗な和柄のケースが置かれていた。

ハナブサは私の視線に気付き、ケースを手に取って差し出し

「気になりますか?」

「綺麗な柄だなぁと、思って…」

「扇子が入ってます」

なるほど!
扇子を入れるケースまで、拘りを感じます!

更に…

「良かったら…差し上げます」

思いもよらない、ハナブサからのプレゼントだ。

「えっ…そんな、悪いですよ」

いくらハナブサがたくさん扇子を持っているからって、簡単に貰うのは申し訳ない。

「いえ…宜しかったら自主トレに使って下さい」

「はい?自主トレ…?」

ハナブサはケースに神経質そうな指を添えて、静かに蓋を開けた。

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