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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第3章 第2話 母を求めて
「……んんっ? あっホルスタイン、いつの間に来てたの?」
「私はいつでも坊ちゃまの|傍《そば》におりますよ。先ほど夢の中でお母様とお話されていましたね」
「そうなの? 変なこと言ってたらどうしよう。ぼくもう大丈夫だから晩ご飯の時に呼んでくれたらいいよ」
「それがあと少しで晩ご飯のお時間です。お粥は食べられそうですか?」
「うん。むしろお腹ぺこぺこでお肉のソテーとか食べたいぐらい。また元気になったら作ってね」
「お任せください、今は早く元気になって週明けから学苑に行きましょうね。……あら?」

 坊ちゃまと目を合わせて話していた私は、坊ちゃまの脚の付け根が隠れている布団がいつの間にか盛り上がっていることに気づいた。


「あっ、ごめんホルスタイン。最近ちょっとその……できてないから、寝起きにこうなっちゃうことが多くて。ごめんね、変なの見せて」
「いえいえ、坊ちゃまが健康な男の子である何よりの証拠ですよ。……よろしければ、お手伝いしましょうか?」
「そんなのいいよ、もう身を起こせるし自分で済ませるから。ベッド汚さないよう気をつけるからね」
「そうですか。では下に降りておりますので、お済みになったらお声がけください」
「ありがとう。ちょっと待っててね」

 坊ちゃまが自分を慰める間は邸宅の1階の台所で掃除でもしていようと考えて、私は坊ちゃまに背を向けると彼の自室を出た。

 しかし、そのすぐ後に坊ちゃまの自室から物音がした。

 慌てて私がドアを開けると坊ちゃまは背中から下半身を寝台の下に滑落させていて、その横の床には紙の箱に交互に入った薄いちり紙が箱ごと倒れていた。
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