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甘い飴と甘い鞭
第1章 LIE
ジャラ、ジャラ。耳慣れた重い金属の擦れる音。
アイマスクの暗い視界の中でひと際感覚が研ぎ澄まされていく。
あの人が耳元で低く笑う気配がした。

「欲しがれ」

両手を拘束された状態のおれは、その声色ひとつで背が跳ねる。
そういう反射だ。仕込まれているんだ。
反れた胸の先に熱い舌先が触れる。

「ぁああ、あああァ……ッ!」

甘く、を通り越して咽ぶように叫ぶ。
頭がどうかしそうだった。いや、多分もうどうかしている。
ほしいんだ。違う、ほしくなんてない。ほしがってない。ほしい。欲しい。
ごちゃ混ぜの矛盾は脳みそをかき混ぜられるような心地の悪さだ。
たったこれだけの刺激で、おれの性器はもうパンパンに膨らんでおッ勃っちまってるんだ。
次に何されるか期待して、涙を滲ませてせがむみたいに。

「強情さが好い。こっちはこんなに素直なところが特にな」

パンッと乾いた音と同時に、おれの性器が弾かれる。
――鞭。
これもいつものことだ。おれの身体は悦んでる。
悦んでぶるぶると打ち震えてあいつに応える。

「お前に飴をやったらその甘さで死ぬだろうな」

乾いた音とは裏腹に、払うように優しい鞭が身体を撫でる。
何度も、何度も。その度におれの身体は愉悦を覚えてる。
それが何よりみじめで、堪らなく狂おしくて。
何分間続いたのか、ぴたりと鞭が止むころ、おれの性器はもうだらだらと床を濡らしていただろう。
その蕾をジュッと音を立てて吸い上げられた。
先だけ、口付けるようなそれに腰が情けなくへこへこと揺らぐ。
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