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初恋のメリーバッドエンド・幼馴染とのハッピーエンド
第1章 優弥の葛藤
「はあはあっ。か、可奈。ちょっと待ってよ・・・!!!」

「はあはあっ。あははっ、優ちゃんてば。早くおいでよ!!!」

 まだ子供の時分の頃の話だ、優弥は可奈より身体も小さく、その当時は体力も無かった、一応は走ることが好きだった彼は子供にしては懸命に“自主トレ”に励んでいたがこの時、可奈は剣道を嗜んでおり、中々に二人の体力差は埋まらなかったのである。

 ところが。

 一方の翔弥は、と言えばこちらは小さな頃から地元のサッカーチームでエースストライカーを務めており体力も腕力も強く、また運動神経も抜群に良かった、そしてそんな翔弥に可奈は次第に惹かれて行き、とうとう決定的な瞬間を優弥は見てしまった、と言う次第であったのだ。

 この時、優弥は15歳になったばかりで最初は何をしているのかが解らなかったがすぐにそれが“口付け”だと理解して、そしてー。

 彼はそれから大声で泣き喚きながら町中を疾走した、悲しくて辛くて仕方が無く、“いっそ死んでしまいたい”とすら思ったが結局は死にきれなかった。

 運が良いのか悪いのか、一頻り泣いて落ち付きを取り戻した優弥はそのまま逃げるように東京の全寮制高校を受験、辛うじて合格して以降は何があっても地元には帰らなかったのである。

「・・・・・」

 そんな優弥は複雑な思いを抱いて実家の最寄り駅である“海津”に降り立った、海から3キロ程の高台にあるこの駅には微かに潮騒が聞こえて磯の香りが漂って来る。

「お~い、優弥・・・!!!」

「父さん・・・」

 呼ばれて優弥がその方を向くと、彼の父である“小川 泰三”が白いセダンの窓から顔を覗かせていた、我が子を駅まで迎えに来てくれたのである。
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