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君が眠りから覚めるまで
第1章 song1
ボイスレッスンが済んだのは、アップルウォッチが翌日の時刻を指した頃だった。
ソンフンはスタジオのドアを押しながら小さくため息を吐く。

…歌は得意じゃないのに、なんでこんなにボイスレッスンばかりやらされるんだよ…。

ボイスレッスンのスタジオは、地下の一番奥にある。
要塞のようなハイブの建物だが、慣れたソンフンですら一瞬迷うほど、その構造は複雑だ。

…あれ…。
エレベーター、こっちじゃなかったっけ…。

突き当たりの先は、非常階段だ。
仄明るい常夜灯が灯るのみだ。
普段利用する者も居ないからだろう。

舌打ちしつつ、踵を返した時…

「…どうしても…どうしても駄目なの…?」

…聞き覚えのある艶めいた声が聴こえた。

ソンフンは脚を止めた。

「…誕生日だよ。ほんの少し、会えるだけでいいんだ」

…声は階段の下、踊り場から聴こえて来る。

足音を立てないように、そっと近づく。

「…そう…。
分かった…。
もう、いいよ」

踊り場の壁にもたれかかり、スマートフォンを耳に押し当てている華奢な体躯の青年…。

仄のかな灯りに照らされた白い横貌は、ぞっとするほどに美しい。

「…もう、二度と会わない。
電話も掛けて来ないで」

…吐き捨てるように告げ、通話ボタンを押す。

態度と裏腹に、哀しげなため息をひとつ吐いた。
そして、ようやく人の気配に気付いたのか、その謎めいた美しい瞳を見上げた。

「…あ…」

…メンバーのキム・ソヌだ。

「…またオトコか」

第一声が、自分でも驚くほどに冷たく嫌味ったらしかった。

ソヌの優美な柳眉が跳ね上がる。

「またオトコと揉めてんのか?
懲りないな、お前も」

なんでこんなに意地の悪い言葉を吐いているのか、自分でも分からない。

「…ソンフニョンに、関係ない」
つんと、形の良い顎を反らせ、ソヌは階段を駆け上がる。
ソンフンの傍らを通り過ぎようとする。
思わず、その腕を掴んだ。
「待てよ」

…ほっそりした腕…
強く掴めば、折れてしまいそうな…。

「痛い」
ソンフンは慌てて手を緩める。
「ごめん…」

ソヌが小さく微笑った。

「…何?」

…仄白い花のような美貌が、ソンフンを見つめていた。





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