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O……tout……o…
第1章 おとうと
 41

「…………ぁ……」
 そしてわたしは彼の腕に抱かれながら、ふと、目覚める…
 その腕の中は幸せな暖かさであった。

 ついに彼、荒川部長、いや、荒川アキラと結ばれた…
 その柔らかで、優しい腕に抱かれ、包まれ、慈愛の海に漂っていた。
 背中からは彼の吐息を感じ、抱かれている筋肉質な腕に目を向け、ゆっくりと視線を手へ、指先へと送っていく。

 あ…
 その指先には、薬指には…
 あるはずの指輪が無かった。

 わたしはその薬指の指先へと自らの指先を伸ばし、触れていく…と
「…ぁ、半年前に別れたんだよ…」
 と、不意に後ろから彼が囁いてきたのだ。

「え…」
 それは知らない事実だった。
「うん、なんかさ、浮気されちゃってさ…」
 微妙な声音で囁いてきた。

「え、う、浮気?」
「あ、うん…
 毎晩遅いし、子供も出来なかったからかな」
 今度は哀しそうな声音。

「ま、だいぶ立ち直ったけどね…
 あ、ごめん、葵くんにこんな話ししても…」
 わたしはその瞬間、後ろにカラダを向け、そして…
「………大好き……です」
 そう囁き、唇を寄せていく。

「大好きです、わたしは部長を、あ、アキラさんが大好きです…」
「あ、葵くん…」
「ううん、二人の時は、あおいって…」
「あ…うん…」
 わたしたちは唇を合わせ、キスをする。

「あ、あおい…」
「あ、アキラ…さん…あぁ…」
 また再び、わたしを抱き、愛してくれた。

 そう、わたしたちは完全に結ばれた…
 不倫でもない…
 正々堂々と愛し合える。
 
 そして彼のこの愛は、わたしの疲れた心と、過去のトラウマを…
 きれいに浄化し、無くしてくれ、いや、この先を明るく灯す道標となってくれたのである。

 わたしはこの夜から、幸せな日々を送り始めていく…

 それから約一ヶ月、穏やかで、慈愛に満ちた時を過ごし…

 そして、あの結婚式招待状が届いてからは、二ヶ月が過ぎていた…

 いや、もう、この招待状の存在自体、忘れてしまうほどに幸せな公私の生活を送っていた…

 だが…



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