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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第8章 ワニ
今まで、こんなことは一度としてなかった。

若い頃でさえ、こんなことにはなったことがなかった。男っ気のない人生。夫以外の男性とは多分、何もない人生だと思っていた。

子供こそ、4人も男の子を授かったものの、恋愛なんて、、終わったことだと思っていたし、男女の関係なんて、ないと思っていた茉莉子。

こんなに濡れるなんて…。原因は、夢を見たことかもしれないけれど、夢を見た原因はなに?

この温泉宿に来たこと?息子達とのこと?それともあの3人。

息子と同世代。でも、対照的な3人。

わたしを嫌う息子達。そして、わたしを気にしてくれる3人。

わたしを棄てた息子達。そして、わたしを拾ってくれた3人。

本当に、あの3人は、わたしの手料理を食べてくれるのかしら…。

どうして、あんなに優しくしてくれるのかしら…。

言葉通りに受け取っていいのかしら…。

出会ってから、今までのやり取りを思い出していた茉莉子。

息子達は余りにも違う反応だった。

夫からも息子達からも必要とされない自分。そんな自分を必要と言ってくれる3人。

下心があるとしても、こんなオバサン。だれからも必要とされていないオバサン。本当に必要としてくれるのなら…。

でも、単なるお世辞かもしれない…。



掻いた汗が気持ち悪い…。それに、尿意も…。

トイレに行ってから、シャワーを浴びて…。ゆっくり露天風呂に浸かって。。。明日はゆっくり過ごそう…。もし、あの3人が誘ってくれるなら、ここからどこかに出かけてもいいし。

そんなことを思いながら、茉莉子は、部屋を出た。

そして、トイレに向かった。

ショーツを下すと、やはりクロッチの辺りが、トイレの照明に反射して、光っていた。



もしかしたら、閉経する前に、最後の…。そう、『灯火将に滅せんとして光を増す』とも言うわ…。


ということは、性欲が最後に、湧いてきているということ?だから、あんな変な夢を見るのかもしれないわ…。

女でなくなる前に…。もう一度、女であることを確かめたい…。生涯、夫だけと思っていたけど…。3人が言うように、夫は…。

もう、考えれば考えるほど、ツラくなるだけだわ…。

茉莉子は、トイレを出て、着替えを取りに戻ると、階段を下りて、風呂に向かった。
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