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Mの誘惑 -封じ込めた告白-  和田みさき著
第8章 落ちて行く私
 『特別な非日常を味わうことによって、日常の生活が有り難く、大切なものになる』と、館の主人は言っていたが、私には当てはまらなかった。館での出来事が、頭から離れない。 身体が応じて行った悔しさと落ちていく自分への腹立ちが入り混じり、悶々とした日々を過ごしていた。
 昼間、家事も一段落して、ソファ-に腰掛けていると、あの日の光景が目に浮かんで来ることもしばしばだ。マシンに貫かれ、ボ-イ達に乳房を握られて喘ぐ私。夫と他の女性がお互いの陰部を舐め合いながら重なる姿。館の主人の異様な形をした男根で貫かれ、潮を吹く私。すべてが異常で、これまで味わったことのない快感でした。
 私は、躊躇《とまどい》いながらも、館の主人に電話をしたのです。
 「雅子さん、どうされました?」
 「身体が、頭が忘れてくれません」
 「貴女は、素晴らしい女性です。私がこれまで睦み合った中で、恐らく最も魅力的で官能を刺激する女性の一人だと思います。そしてまた会いたいと強く思います。率直に言って、貴女が欲しい」
 「………………」
 「しかし、私は決めていることがあります。一度きりのルールです。同じ女性に対して身体を重ねるのは、一度だけと決めているのです。それは貴女に対しても同じです」
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