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◯◯と私
第2章 店長と私
「今日からよろしくお願いします!」
正直、私は拍子抜けしてしまった。
昨夜リクがあんなに心配していた新人の男の子・タクミくんは中学生みたいに可愛くて、とてもじゃないけど大学生には見えなかった。
「タクミくん、よろしくね。私は春田萌(はるた もえ)」
「萌さん! よろしくお願いします!」
「……」
げ、元気だな……。
「じゃあ春田さん、タクミくんに色々教えてあげて」
「!」
いつの間にか私たちの後ろで声が聞こえた。振り返ると、店長が優しく笑っている。
「は、はい」
「あと春田さん、今日はラストまでいられるかな」
「えっ、あ……えっと……」
「今日は配達が遅くまで入っていて、ラストまでいられる人がいないんだ。ほら、マツモトさんは16時で帰っちゃうし」
「あ、はい……。わかりました」
嫌とは言えない。
その時間ならお客さんも少ないし、閉店作業は好きだし……。それに、店長にはとてもお世話になっているから。
「じゃあ、よろしくね」
店長の優しい微笑みに背筋が伸びながらも、私はタクミくんに向き直った。
あっという間に午前の仕事は終わった。
タクミくんは本当に可愛くて、花屋にアルバイトをしに来ただけあって、お花の知識が豊富だった。悩んでいそうなお客さんの様子を窺いながら、声をかけられると嬉しそうな笑顔で対応していた。正直、お客さんへのコミュニケーションのほうは全く心配ないと思う。
タクミくん、そしてパートのマツモトさんも退勤すると、その後の時間は私と店長の二人きりになる。
私が新しく出たお花を眺めていると、「春田さん」と声が聞こえた。
「は、はい」
「お客さん落ち着いたね。タクミくんはどうだった?」
「あ、タクミくん、すごく素直でいい子で……安心しました。お客さんの心も早速掴んでいましたし」
「ははは、それはよかった」
「で、でも店長、どうして新しいバイトの子を入れたんですか? 忙しい時はありますけど、大学生の男の子を入れるほどでは……」
「うーん、そうだねぇ」
びくっと身体が反応してしまう。
後ろから、店長の熱い息を耳に感じる。
正直、私は拍子抜けしてしまった。
昨夜リクがあんなに心配していた新人の男の子・タクミくんは中学生みたいに可愛くて、とてもじゃないけど大学生には見えなかった。
「タクミくん、よろしくね。私は春田萌(はるた もえ)」
「萌さん! よろしくお願いします!」
「……」
げ、元気だな……。
「じゃあ春田さん、タクミくんに色々教えてあげて」
「!」
いつの間にか私たちの後ろで声が聞こえた。振り返ると、店長が優しく笑っている。
「は、はい」
「あと春田さん、今日はラストまでいられるかな」
「えっ、あ……えっと……」
「今日は配達が遅くまで入っていて、ラストまでいられる人がいないんだ。ほら、マツモトさんは16時で帰っちゃうし」
「あ、はい……。わかりました」
嫌とは言えない。
その時間ならお客さんも少ないし、閉店作業は好きだし……。それに、店長にはとてもお世話になっているから。
「じゃあ、よろしくね」
店長の優しい微笑みに背筋が伸びながらも、私はタクミくんに向き直った。
あっという間に午前の仕事は終わった。
タクミくんは本当に可愛くて、花屋にアルバイトをしに来ただけあって、お花の知識が豊富だった。悩んでいそうなお客さんの様子を窺いながら、声をかけられると嬉しそうな笑顔で対応していた。正直、お客さんへのコミュニケーションのほうは全く心配ないと思う。
タクミくん、そしてパートのマツモトさんも退勤すると、その後の時間は私と店長の二人きりになる。
私が新しく出たお花を眺めていると、「春田さん」と声が聞こえた。
「は、はい」
「お客さん落ち着いたね。タクミくんはどうだった?」
「あ、タクミくん、すごく素直でいい子で……安心しました。お客さんの心も早速掴んでいましたし」
「ははは、それはよかった」
「で、でも店長、どうして新しいバイトの子を入れたんですか? 忙しい時はありますけど、大学生の男の子を入れるほどでは……」
「うーん、そうだねぇ」
びくっと身体が反応してしまう。
後ろから、店長の熱い息を耳に感じる。

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