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◯◯と私
第3章 リクと私②
「ありがとうね、リク。車で送ってくれて」
翌朝、私とリクはお互い同じアラーム音で起きて、一緒に準備をして朝ごはんを食べて家を出た。お泊まりじゃなくて、一緒に住んでいるってことが実感できるのがこんなに幸せだとは思わなかった。
「こちらこそだよ。萌ちゃんが作ってくれた朝ごはん美味しかったし」
「いやいや、目玉焼きとウインナー、あと野菜ちょっと炒めただけだもん。リクだってお弁当用の卵焼き作ってくれたでしょ?」
「ちょっと焦げたけどね……」
「ふふ、うん、ちょっとだけね、ちょっとだけ」
「……もう、意地悪」
「んっ」
シートベルトを外して、リクが唇を重ねる。
「ん……リク、リップついちゃうよ?」
「いいの。これから仕事でしょ? はぁ……心配すぎておかしくなりそうだよ。毎日送り迎えしたい」
「ばか」
リクの頬を両手で覆って引き寄せて、深く唇を重ねる。
「んっ! んっ、んん……っ。萌ちゃん……っ」
「こんなにリクのこと好きなのに、まだ心配?」
「……ごめん。萌ちゃんのこと、信じてないわけじゃないんだよ」
リクの困った顔、本当に好き。
本人に言うと嫌がるけど……。
「ふふ、わかってる。でも嬉しいよ、心配してくれるの。……あっ、そろそろ行かなきゃ」
「うう……」
「リク。大好き」
「っ……俺も」
「同じお弁当、楽しみだね」
「うん」
名残惜しそうにするリクに手を振って、私は車を降りた。
本当は、毎日送り迎えしてほしい。そうしたら一人で電車に乗る必要もないし、帰りだって彼氏が待っているからって言ってすぐに帰ることができる。
でも、そんなこと言えるわけない。
仕事量や時間、責任、重圧……あっさりとそれらに負けて辞めた会社で、リクは今も一生懸命働いている。それでいて私のことをこんなに大切に想ってくれている。私に言えない仕事の愚痴だってあるだろう。それなのに、私ばっかり甘えていられない。
私は私で、リクとの生活を守るために頑張らなきゃ。
「あれ? 萌さん?」
ふと声が聞こえて振り向くと、そこには後輩くんのタクミくんが立っていた。
翌朝、私とリクはお互い同じアラーム音で起きて、一緒に準備をして朝ごはんを食べて家を出た。お泊まりじゃなくて、一緒に住んでいるってことが実感できるのがこんなに幸せだとは思わなかった。
「こちらこそだよ。萌ちゃんが作ってくれた朝ごはん美味しかったし」
「いやいや、目玉焼きとウインナー、あと野菜ちょっと炒めただけだもん。リクだってお弁当用の卵焼き作ってくれたでしょ?」
「ちょっと焦げたけどね……」
「ふふ、うん、ちょっとだけね、ちょっとだけ」
「……もう、意地悪」
「んっ」
シートベルトを外して、リクが唇を重ねる。
「ん……リク、リップついちゃうよ?」
「いいの。これから仕事でしょ? はぁ……心配すぎておかしくなりそうだよ。毎日送り迎えしたい」
「ばか」
リクの頬を両手で覆って引き寄せて、深く唇を重ねる。
「んっ! んっ、んん……っ。萌ちゃん……っ」
「こんなにリクのこと好きなのに、まだ心配?」
「……ごめん。萌ちゃんのこと、信じてないわけじゃないんだよ」
リクの困った顔、本当に好き。
本人に言うと嫌がるけど……。
「ふふ、わかってる。でも嬉しいよ、心配してくれるの。……あっ、そろそろ行かなきゃ」
「うう……」
「リク。大好き」
「っ……俺も」
「同じお弁当、楽しみだね」
「うん」
名残惜しそうにするリクに手を振って、私は車を降りた。
本当は、毎日送り迎えしてほしい。そうしたら一人で電車に乗る必要もないし、帰りだって彼氏が待っているからって言ってすぐに帰ることができる。
でも、そんなこと言えるわけない。
仕事量や時間、責任、重圧……あっさりとそれらに負けて辞めた会社で、リクは今も一生懸命働いている。それでいて私のことをこんなに大切に想ってくれている。私に言えない仕事の愚痴だってあるだろう。それなのに、私ばっかり甘えていられない。
私は私で、リクとの生活を守るために頑張らなきゃ。
「あれ? 萌さん?」
ふと声が聞こえて振り向くと、そこには後輩くんのタクミくんが立っていた。

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