この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケナイアソビ。
第4章 先生とぼくの秘密のじかん。
◆
ぼくは体育が大嫌いだ。
お外よりもお家の中が好き。
そんな根っからのインドア派なぼくは中学1年生の今になるまでスポーツがずっと苦手。素早い動作もムリ。
ましてや器械体操なんて身体がガチガチで言うことをきいてくれないんだ。
それで今日、体育の時間で器械体操のテストがあったんだ。
種目はマット運動。
当然バック転どころか後転さえもできなくて、テストの結果はボロボロ。
そういうことでみんなが帰った放課後の今、ぼくは大きな体育館でひとり。
保健体育担当の保科(ほしな)先生に付きっきりの特別授業を受けてます。
この補講でどうにか今期の成績を5段階中の評価で1にならないようにしてくれるみたいでちょっぴり助かった。
だけどぼくの心臓はいつもよりドキドキしている。
それというのも実はぼく、入学当初から保科先生が好きなんだ。
がっしりした肩幅なのに無駄な筋肉がひとつもなくて、足が長くてスマートで凛々しくて、背も高い。
モデル並みに格好いい先生。ぼくはそんな先生に一目惚れした。
実はぼくが通うこの学校は男子校で、そういうこともあってか同性同士の恋愛もごくごく当たり前。
だから当然、モデルみたいな格好いい保科先生は生徒みんなの憧れの的だ。
密かに恋心を抱いている先生とまさかふたりきりになれる時が来るとは思わなくて、しかも補講は器械体操。
ダメダメなぼくを教えるために先生と至近距離!
おかげで心臓はさっきからずっとバクバクいってる。
先生の息がほっぺたに当たって、すごくくすぐったい。
――ううん。
それだけじゃない。
力強い腕がぼくの腰に腕が回ってる。
先生がぼくの身体に触れているんだ。
しかも今はぼくも先生も体操着一枚。
先生の体温が伝わってくる……。
背後から抱きかかえられるような体勢でいるとおかしな気分になる。
どうしよう、みぞおちが熱くなってくる。
バックン、バックン。
身体から飛び出しちゃうんじゃないかっていうくらい心臓が跳ねている。
とにかく落ち着かなきゃ。
ドキドキしているのが先生にバレちゃう。
いくらこの学校では同性で恋愛してる人がいるっていっても、先生は社会人だし中学生のぼくなんかよりもずっとずっと大人で、格好いい。
ぼくが見ている世界よりも広い世界を知っている。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


