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無敵に近い男
第5章 死刑
「控えめに言って最低だ、じゃあな」
死刑台に彼を乗せ冷徹な表情で、こちらを見る騎士。
その手には、鋭い剣があった。
そして、この部屋には彼と騎士の、たった二人しかいない。
「待て、待つんだ、やらないでくれ! やったところで俺は……!!」
「えっ…………?」
俺は……死なないんだ……。
首を落としても死に至らなかった彼に、まるで獣を見たかのように震える騎士。
「言い忘れていたことがある。俺は……無敵なんだ……」
だから、血の量は、ちょっとヤバいけど、全く痛みも感じない。だから命が尽きることもないんだよ。そう伝えようとしたところで、騎士は「やめてくれっ!!」と叫んだ。
「お願いだから、その姿で喋らないでくれ!! 悪かった!! 俺が悪かった!!」
怯えるのも無理はない。生首だけの人間が会話だなんて。
「……ところで、針と糸は無いか?」
「えっ……?」
「針と糸があれば縫合できる」
多分だけど……。そういうのは昔、何かの番組で見たことがあるから、それを真似ればいいはず……。
「お前は医者なのか……いくら自分の体だからって……」
「分かってる。けど死を知れなくなってしまったので仕方がないんだ」
「……すまん。私だって医者ではない唯の騎士だが、私みたいな素人からみても、それは、お勧めできない。近くに病院があったはずだ、そこに連れていこう」
「助けてくれるのか……?」
「ああ、やることができないのであれば、どうしようもない。……王様たちには、私が逃がしたことにしておこう」
騎士は、最初ここに来た時とは全く違う。
(まさか、俺が無敵だということを知ったからか……? これも、ある意味、無敵の効果なのか……?)
一時は城に戻らされ、どうなるかと思ったが、何とか、ここから出られそうだ。
あの薬を飲まなかったら、ここで死んでいたかもしれない。
そう思うと……。
「……薬を飲んだのは、間違いじゃなかったんだ!!」
「薬? なんの話だ?」
「あ……」
つい薬のことを口に出してしまった彼。
この後、どうなってしまうのだろうか……。
死刑台に彼を乗せ冷徹な表情で、こちらを見る騎士。
その手には、鋭い剣があった。
そして、この部屋には彼と騎士の、たった二人しかいない。
「待て、待つんだ、やらないでくれ! やったところで俺は……!!」
「えっ…………?」
俺は……死なないんだ……。
首を落としても死に至らなかった彼に、まるで獣を見たかのように震える騎士。
「言い忘れていたことがある。俺は……無敵なんだ……」
だから、血の量は、ちょっとヤバいけど、全く痛みも感じない。だから命が尽きることもないんだよ。そう伝えようとしたところで、騎士は「やめてくれっ!!」と叫んだ。
「お願いだから、その姿で喋らないでくれ!! 悪かった!! 俺が悪かった!!」
怯えるのも無理はない。生首だけの人間が会話だなんて。
「……ところで、針と糸は無いか?」
「えっ……?」
「針と糸があれば縫合できる」
多分だけど……。そういうのは昔、何かの番組で見たことがあるから、それを真似ればいいはず……。
「お前は医者なのか……いくら自分の体だからって……」
「分かってる。けど死を知れなくなってしまったので仕方がないんだ」
「……すまん。私だって医者ではない唯の騎士だが、私みたいな素人からみても、それは、お勧めできない。近くに病院があったはずだ、そこに連れていこう」
「助けてくれるのか……?」
「ああ、やることができないのであれば、どうしようもない。……王様たちには、私が逃がしたことにしておこう」
騎士は、最初ここに来た時とは全く違う。
(まさか、俺が無敵だということを知ったからか……? これも、ある意味、無敵の効果なのか……?)
一時は城に戻らされ、どうなるかと思ったが、何とか、ここから出られそうだ。
あの薬を飲まなかったら、ここで死んでいたかもしれない。
そう思うと……。
「……薬を飲んだのは、間違いじゃなかったんだ!!」
「薬? なんの話だ?」
「あ……」
つい薬のことを口に出してしまった彼。
この後、どうなってしまうのだろうか……。

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