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第23章 ６日目　かりきのドームシティ

VRのゴーグルしてるから
一緒に乗ってるんだけど、
隣の人の顔が見えなくて。

見てる景色と感じてる風は
一緒でも…相手の顔が
見えないのってもどかしいなって
そんな風に思いながらも。

『パラセーリングでも
結構高い場所まで上がれるんだね』

『来年、沖縄旅行にさ
父さん連れて行ってくれるって
言ってるし。3人で沖縄でリアル
パラセーリングしようぜ』

そう言ってつんつんと
隣に座っている光が
小指で私の手を突いて来て。
約束…と言う意味なんだなって
その光の小指に自分の小指を
絡めて指切りげんまんをして。

反対側の隣に座っている翔の手を
つんつんと自分の小指で突くと
翔もその意味がわかったみたいで。

私が光の指をそうしたみたいに
翔も私の小指に小指を絡めて来て。

『来年…、楽しみだね。光、なゆた』

VRゴーグルしてるから
ふたりの顔は私には見えないし
ふたりからも私の顔は
同じ様にゴーグルをしてるから
見えてないはずなんだけど。

きっと…今、私達は…
笑ってるんだろうなって…
そんな風に思いながら。

ＶＲ　パラセーリングの体験が終わった。

ゴーグルを外すと…今まで
青い空と青い海の南の島に
居たのに、真っ白の箱の中に居て。

『パラセーリング、面白かったな』

『今日中だったら、入場料金
支払わなくても再入場できるから、
後で気になるＶＲあるなら
それだけ選んで体験もできるからね』

翔が言うには当日に限り
再入場ができるみたいで。
ＶＲアトラクションの料金だけで
好きなだけ好きなタイミングで
ＶＲパークを楽しめるみたい。

『昼飯食いに行く前に、
アトラクション、なんか乗ろうぜ！』

VRパークを後にして
建物と建物の間に広く点在している
遊園地のエリアを３人で目指した。

『暑いし濡れるやつにしようぜ、
急流すべりとかさ、良くね？』

『待ってよ、光、先に
フリーパス買ってからにしようよ』

遊園地エリアにあるアトラクションは
安いアトラクションで６００円とかで
ジェットコースターとかだと
１０００円とか１３００円とかだから
絶対フリーパスの方がコスパがいいので。