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美味しいサンドイッチの作り方
第20章 5日目 PM ~お兄ちゃんズと一緒~

こんな感じの寒い大型の冷凍庫
みたいな中に入るアトラクションって
割とどこの遊園地にもあるけど。
氷の大地を再現した台の上に
置かれている剥製の目が怖くて
暑い夏は涼しくていいんだけど、
小さい頃は…ちょっと苦手だったな…。
狐とかペンギンとかトナカイの
剥製は毛皮に雪を被っていて
最初は…涼しい~て思う
この温度も出るころには真夏に
凍えそうな感じになるんだよなぁと。
そんな風に思いながら…歩いていると
何も言わずに光が私の手をぎゅっと
繋いで握って来て。お部屋は
大きな冷凍庫の中みたいに冷えてるけど
繋いでる光の手の温度は暑いぐらいで。
『あ~、めっちゃ涼しっ。
夏はこれ系至高だよなぁ~。
これで中が…もっと…楽しめる感じに
なってれば…文句ねぇんだけど…』
『お化け屋敷みたいなって事?
でも外にマイナス30℃の
極寒体験って書いてあるけど
実際にそこまで寒くなさそうだけどね』
翔がマイナス10℃あれば
まつげが凍る温度だから、
まつげが凍ってる感じもないし
実際そこまで寒かったら
肌がこれだけ露出してたら
痛いって感じるだろうしと言っていて。
結局最初の方こそ余裕余裕て
言ってた光も、出口に来る頃には
寒い寒い外出たいって言ってて。
スーパーに買い物に来てて
食品の冷蔵庫の前で
寒い寒いって言ってる
子供みたいだなって思ったんだけど。
途中で光が自分の腕を擦るのに
手を離したから、その先は
何も言わずに翔が手を繋いでくれて。
外に出た時に光が
出た――って大きな声で叫んでて。
ちょっと恥ずかしくなりながら。
『あれ、あれ、あれ乗ろうぜ』
と…光が指さしたのは…
この遊園地にあるジェットコースターの
中の1つで…。光が先に先に
行ってしまうので、後から
翔と後ろからついて行って。
ジェットコースターに並んでいる
行列の最後に並んだ。そんなに
激しくアップダウンしたりしない
小さい子でも乗れるスピンコースターで。
4人乗りの円形のトロッコに
乗り込む感じのタイプみたい。
『これ、の次…はあれな』
と…隣に見えている急流すべりを
光が乗り場に続いている
階段を上りながら並びつつ。
見えているアトラクションを
指さして次に乗るものを決めてるみたい。

