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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第18章 ずっと好き~せめて想うだけでも許してください。
「こんな汚いあたしだけど――だけどせめて、想うだけでも許してください。もう二度と、貴方の前には姿を見せないから」
なんて自分勝手。
「……ごめんなさい」
けっきょく、あたしは自分が可愛いだけ。
唯斗さんを好きと言いながら、自分のことしか考えていない。
あの中年男性が言っていたことは真実だった。
欲しい玩具が手に入らなくて、駄々をこねている子供……。
「好きになっちゃって、ごめんなさい」
あたしの目からは涙が堰を切って溢れ出す。
「ごめんなさいっ!」
あたしはしゃくりを上げて嗚咽を漏らした。
悲しみで冷たくなっていく身体。
凍えてしまいそう……。
この先、唯斗さん以外の男性を好きになれる日が来るとは思えない。
ずっと唯斗さんが好きだって、確信できる……。
このまま、これから一生の間を凍えたままを過ごすんだ。
これで終わり。
さようなら――って。
唯斗さんにお別れを告げられるんだ。
覚悟して目を閉じる。
捨てないでと口にしないよう、
無様に泣き叫ばないよう唇を噛みしめた。
――だけど。
「澪ちゃん!」
あたしの身体が力強い腕に掻き抱かれた。
「俺が好きなのは七瀬じゃない。澪ちゃんだよ」
――え?
今、何て言ったの?
「ゆ、いと……さ?」
「何時の日か、日に日に女性になっていく君を想っていたんだ」

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