この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
魅惑~甘く溺れる心と身体。
第13章 危険な罠、ふたつの欲望の前にただ狂い咲く……。
……パカ、パカ。
須藤さんは手持ち無沙汰でなのか、数カ所ある鏡台の引き出しを開閉を繰り返していた。
「あいつ、入社以来、社内で失敗したとこなんて見たことないぜ?」
「ですよね、あたしもハイスペックな人だなって思ってました」
須藤さんのひとりごとのような話しに、あたしもコクンと大きく頷いてみせた。
「だよな。……初めてだったんだよなぁ、ほら、3週間前の――例の、プレゼンの資料忘れ。あれって、前日あたりに森野と何かあった?」
「えっ!?」
ドキッ!
須藤さんの質問に心臓が跳ねる。
思わず顔を上げると、須藤さんの真っ直ぐな視線とぶつかった。
「あ、えと……特に、何もないです、けど……」
そう、たしかに前日は何もなかった。
うん、それは間違いない。
初めて唯斗さんに抱かれたのは3日前。
だからきっとあたしがきっかけではないと思う。
ドキドキしながら答えた。
「そうかな? 何か隠してない?」
「何も隠してません!」
「ひとつ屋根の下にいるんでしょ? 抱かれたのはいつ……?」
「い、言いたくありません! 須藤さんには関係ないと思います」
「そういう言い方は傷つくなぁ。俺、言ったよね。澪ちゃんのこと、けっこう本気だって――」
須藤さんは引き出しから紐を取り出し、すぐ目の前にやって来たかと思えば、あたしの身体を押した。
「っひゃ! 何っ!?」
勢いよくベッドに倒れ込んでしまう。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


