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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第13章 危険な罠、ふたつの欲望の前にただ狂い咲く……。
「森野ん家からだったら車で約15分程度ってとこかな?」
須藤さんはスマホをベッドサイドに放り投げると鏡台の引き出しから椅子を引っ張り出して座った。
これからどうしよう。
あたしはいったいどうなるんだろう。
須藤さんとお付き合いすることになっちゃうのかな……。
嫌だ。
唯斗さんしかいらない。
相手が唯斗さんじゃなきゃ意味がない。
須藤さんの賭けに乗ったものの、いざ唯斗さんとの電話が終わってしまうと不安だらけになってしまう。
ドクン、ドクン。
緊張しすぎて立っていることすらもままならない。
期待と不安が入り交じった中で、あたしは両手を身体に巻きつけてベッドの上に腰を下ろした。
「あの、須藤さんは叔父さんと――」
「澪ちゃん、恋愛感情持ってるあいつのこと、『叔父さん』なんてそんなふうに呼んでないっしょ? いつも通りでいいよ」
「……須藤さんと――唯斗さんとはたしか、同期なんですよね?」
唯斗さん以外のところで名前を呼ぶのは慣れていなくて、少し恥ずかしい。
須藤さんの顔をまともに見られなくて、膝の上で握り締めている拳を見つめながら口を開いた。
「ふぅん、普段は下の名前呼びなんだ。新鮮でいいね、そうそう、あいつとはずっと同じチーム。腐れ縁っての? ちなみに片桐は同期でも1年前に社内異動があって、俺らのチームに配属が決まったんだ」

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