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僕の愛する未亡人
第1章 隣の席の未亡人
「ーーじゃあ、うちいらっしゃい。息子の晩酌の相手もして欲しいし。あたしとばっかりじゃ可哀想だから。佐藤くんの家って、うちと同じ路線よね、確か」

「えっ」

佳織の自宅はこの会社がある最寄り駅から、電車で一本、十五分ほどの場所だった。
理央も同じ路線で、その二駅先。

「定期圏内で、途中下車。どう?」

佳織がふふっと笑う。

佳織はーー息子が大学卒業をする頃に、夫を亡くしていた。
有休を使い、しばらく休んでいた彼女が久しぶりに出社した頃、かなり憔悴しきっていたのを理央は思い出した。

「そ、その、男……なんて入れて大丈夫、なんですか」

「何で。佐藤くんが息子に何か嫌なこと言うような男なら入れないけど。違うでしょ」

そう言われ、理央は嬉しくなった。コクコクと頷く。

「じゃ、息子に電話しとく。多分家にお酒はあるけど、自宅の近くのコンビニで好きなもの、買いなさい。
息子なんだけど……本当は一人暮らししたかっただろうけど、「親のスネかじるよ」なんて言いつつ、気を使ってくれてるの。だから話し相手になって欲しいな」

「やったっ」

思わず、佳織の腕に手を絡ませ、肩に頬をすりつける。

「やだ、子供みたい。ふふ」

理央の手が絡みつくのとは反対の手で、ぽんぽん、とふわふわの理央の髪を撫でる。
理央の胸がきゅぅっと締め付けられた。
たったそれだけのことが嬉しかった。


*

何とか、理央はぎゅうぎゅうの電車の中で理性を保った。佳織の最寄り駅で二人は降りる。

駅前のコンビニで適当に買い物をして、七、八分歩いたところに、佳織の住むマンションがあった。

佳織はオートロックを解除し、五階までエレベーターで上がる。


(本間さんち…)


ごくり、と唾を飲み込んで、佳織のあとをついて行く。
鍵を開けた途端、引き戸の開く音がして、廊下を誰かが駆け寄る音がした。

「母さん、おかえり……荷物預かるよ。佐藤さん…ですか?」

「はい、どうも。お邪魔します。すみません、突然」

息子なのだろう、顔を見る前に、何度も理央はぺこぺこと頭を下げた。

「息子の岳(がく)です。今月、二十五歳になったばかりなの。社会人三年目」

佳織は微笑んで、息子のことを紹介する。

「やば、めっちゃイケメンじゃない?」
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