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僕の愛する未亡人
第1章 隣の席の未亡人
だが佳織は、それでも仕事をする自分を見てくれた。
容姿のことを言ったりはしないし、子供っぽいことをからかったりもしない。
それが心地よかったのかもしれない。

さらに理央は会社の女性と食事に行くどころか、懇親会にもほとんど参加したことがなかった。
というのも、自他ともに認める「ヤリチン」だからだ。
自分の性欲が強いことも自覚しているし、寂しいわけでもない。もし、女性に言い寄られたら自制する余裕などがなかった。相手が本当に好意を持ってくれているなら、自分の行動をなおさら失礼だと感じてしまう。
低い倫理観の中にも、最低限の正義を持っていた。
だからこそ、会社のなるべく女性とは交流を持たないようにしていたのだった。

なのにーーおそらく性欲とは違う方向で、佳織のことを見つめてしまっている。
性欲ならば、同じくらいの年齢の女性と遊べばいいだけの話なのだ。



*


「ほ、ほんまさんっ」

室内で声はかけられなかった。
彼女が退勤しようと、更衣室から出てくるところをまるで待ち伏せするようにして、革製のリュックを背負った理央はパタパタと駆け寄る。

「あら、どうしたの?」

時刻は二十時前だった。

このフロアに社員はあまり残ってないらしい。廊下は薄暗く、しんと静まり返っている。

「あ、あのっ、ご飯、行かないっ……?」

咄嗟に出た言葉。
自分でも思わず驚いた。十年勤めているが、会社の女性を食事に自分から誘うことなど、まずなかった。

彼女には二十代半ばの息子がいるらしいがーーこの時間に帰宅するならば、一緒に食べるのではなく別々なのではないかと瞬間的に思った。

そして、いつも通りに飄々とした態度、タメ口。
最悪。

目を潤ませる。むぅ、と呟く。


(僕、やばすぎ。本間さんだって、僕が誰とも食事とか行かないこと、わかってるだろうに)


「どうしたの。さっきも思ったけど……珍しいじゃない。何か話があるの」

佳織はきょろきょろして人がいないことを確認すると、今にも泣きそうな理央の肩に手を置く。

「同じ部署だけど、直接仕事することってあんまりないから。実はそんなに話したことなかったよね。あたしで力になれることなら、聞くけど」

「ん、んぅ、そういうんじゃないけど……本間さんと、飲み……たい」

四十を手前にした男の態度とは思えず、自分でも情けなかった。
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