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僕の愛する未亡人
第2章 はじめての社外業務①
「だ、誰だったか忘れた…?」

「今朝の佐藤くんの話からするに、あなたとあたし、同じ人種だと思うけど。あなたが見たの、セフレの誰かだね」

冴子は淡々と話した。
その時、ポーンとエレベーターの到着音が鳴る。

「ちょーっと今日はストレス発散したかったな。月曜だけど」

エレベーターから出て、ビルの外に出る入口まで歩きながら、冴子がぽんぽんと、理央の革のリュックを叩く。
彼女は、そんなことを淡々と言うのに、佳織のように体に触ることはない。

「早く帰りなさいって言っといてなんだけど、良かったら軽く、食事付き合ってくれない? すぐ帰すから」

「……だから、今日香水、違ったんだ」

「え?」

横を歩く冴子が、歩みを止める。

「いつも、柑橘系だもん。飯塚さんの香水」

にかっと笑う。
表情を崩さなかった冴子が、さすがに戸惑っていた。

「たまに重めの香水のつけてるでしょ。気分だろうな~とは思ってたんだけど、そういう気分の日なんですね、納得」

理央の無邪気な笑みに、冴子はほんの一瞬、言葉を失った。
軽く咳払いをして歩みを再開する。

「……気づかれちゃうのね、そういうの。参ったな」

冴子は小さく笑った。その笑みは、仕事中のものとも違っていた。

「……飯塚さんのストレス発散、付き合ってもいいですか?」

「うん、もちろん。軽くどこか居酒屋にでも……」

佳織と理央は、お互いの気持ちがまだ同じものでない。だが、直接肌に触れ、そのことをきちんと肯定してくれた。だが――まだおそらく、夫のことが忘れられず、それ以上のことができる状態ではない。

「いえ、そうではなくて、僕とホテル行きませんか?」

冴子はまた、目を丸くした。





冴子はすぐさま承諾してくれた。居酒屋に入り、胃に軽くものを入れる。
一時間程度食事をしたあと、冴子は誰にも見られていないか確認して、大通りでタクシーを止めた。冴子は手慣れた様子で行き先を告げ、外の街灯が窓を流れる。
そしてホテル街とも言いづらい、ホテルが点々とある地域まで車を走らせる。
冴子はフロントで自ら会計を済ませると、――飲食代もタクシー代も彼女が払った――何も言わずにエレベーターに乗り込んだ。
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