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僕の母さん
第10章 除夜の鐘

「真弓おばさまにしたってそうよ…
きっと、おばさまも恋をしているわ」

「えっ?」

達郎はてっきり母との肉体関係を彩也香にバレたのかもと、
一瞬焦った。

「母さんに限って、他にも男がいるなんて信じられないよ」

「他にも?あら、じゃあ、おばさまったら二股とかしてるの?」

「そんな言い方やめろよ
それじゃまるで母さんが尻軽女みたいじゃないか!」

「ごめんなさい…
言葉のあやってやつだから気にしないでよ
でも、大人は大人でどこかの誰とよろしくやっていてもいいじゃない。私には達郎がいる。それで充分だわ
達郎にしてもそうでしょ?私がいればママたちがどこかの馬の骨とベッドを共にしたってご自由にどうぞって思うでしょ?」

「ご自由にどうぞって思わないな…
母さんは僕だけの母さんであって欲しいし…」

「達郎…あなた、まさか…?」

いけない!
ちょっとムキになりすぎたかな…
彩也香がさっき言ったように女の勘って鋭いらしいから…

「達郎、もしかして…マザコン?」

「マザコン?!」

よかった…別の意味で彩也香の勘が働いたようだ。

「よしてくれよ!マザコン野郎だったら彩也香とセックスをしたりしないさ」

「それもそっか…
やだ、私ったら疑心暗鬼になっちゃって…」

「それよか、とっとと手伝いを済ませてしまって初詣に行く計画をたてようよ」

達郎から初詣に誘ってもらえたことですっかり気を良くした彩也香は、てきぱきと母親たちの手伝いをこなした。
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