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僕の母さん
第10章 除夜の鐘
クリスマスが終わると、あっという間に年の瀬がやって来る。
ジムのお仕事も年末年始はお休みなので、年の暮れは達郎と真弓の母子で部屋の大掃除をした。
大晦日は佐智子さんとその娘の彩也香も家に来て、
女性陣が三人がかりでおせち料理の支度に取りかかった。
「なんか、豪勢なおせちだね…」
昨年なんかは二人だけなんだし、これでいいわよね?とか言い出して、スーパーのプラスチック容器に入った質素なおせちだったのに、今年はどうやら本格的なおせち料理にありつける事に達郎は目を白黒させた。
「昨年は達郎と二人だけだから、おせち料理なんて作る意欲もわかなかったけれど、今年は佐智子さんとこも招いて賑やかに新年のお祝いをしようと思ってね」
「うちだってそうよ、彩也香は新年早々に冷凍食品のパスタを食べたりしてお正月気分もなかったけれど、真弓に新年会をしましょうよとお誘いを受けて一気にお正月気分になったわ」
そんなことを言いながら、佐知子はお重に料理を詰める彩也香をみて「ほら、もっと丁寧に詰めなさいよ」と叱った。
「女だからってこき使わないでよ
私だってしなきゃいけないことが山ほどあるんだから」
「子供の癖に何をする事があるって言うのよ」
「お肌の手入れとか…ネイルをしたりとか…」
そう言って彩也香は達郎の視線に気づいて頬を染めた。
「まあ!彩也香ちゃんもすっかりお年頃になってきたのね
でも、女の子ってやっぱりいいなあ…
どんどん綺麗になってゆく娘を見ているだけで幸せな気分になれるでしょ?」
そう言って真弓は羨ましげに佐智子を見た。
「とんでもない!お洒落したり、化粧品も買ったり、色々とお金がかかるのよ
そう言う真弓はどうなのよ?
逞しくなってくる息子さんを見てるのは嬉しくて仕方ないでしょ?」
「そうね…このごろはすっかり大人っぽくなっちゃって…」
真弓は達郎の下半身に目をやって、佐智子と彩也香母娘にバレないように色っぽい視線を息子の達郎に注いだ。

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