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僕の母さん
第9章 クリスマスプレゼント
「母さん、それじゃ行ってきます!」
おニューのダウンジャケットに袖を通して、達郎が勢いよくマンションの部屋を飛び出していこうとする。
「行ってらっしゃい、ゆっくりとクリスマスを楽しんできてね」
達郎の背中に向かって、真弓は大声でそう言った。
まだ中学生なのだ。
本来ならば「あまり遅くなるんじゃありませんよ」と釘を刺すのが本当なのだが、真弓は達郎を中学生の子供ではなく、一人前の男だと認識していた。
今夜、息子と一緒に遊ぶ彩也香は真弓の友人の一人娘で、真弓もよく知っていた。
『あの二人、うまく行くといいわね、そうすれば真弓と私は親戚になれるもの』
彩也香の母親である真弓の友人の佐智子は冗談半分でそんなことを言っていた。
「うまく行くかしらねえ…」
思春期の子たちの恋愛なんて、恋愛ごっこみたいなもので
ちょっとしたことで別れたり、またちょっとしたことで仲直りしたり…
そんな試行錯誤を繰り返しながら、男と女として成長していくんだわ。
とりあえず、今は、見守ろう。
何があっても息子の達郎は自分の元に帰ってきてくれる。
真弓には、女としての直感があった。
「さて、私も出掛ける用意をしなきゃ…」
真弓はランジェリーボックスから、今夜のために買った下着を取り出した。
まさか下着姿を辰巳くんに見せることにはならないとは思うけれど、それでも熟女のたしなみとして、下着はまっさらなものを身に付けたかった。

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