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僕の母さん
第9章 クリスマスプレゼント
達郎が彩也香とのデートの約束にこぎつけて小躍りしていると、玄関のロックが外れる音がして、母の真弓が帰宅してきた。
髪の毛のセットも乱れ、メイクさえ剥げていて疲れた表情をしていた。
「お帰りなさい…疲れている?肩でも揉んであげようか?」
そう言って、さりげなく背後から抱きしめると
母の体からはソープの香りがした。
別段不審にも思わなかった。
母の仕事はジムでヨガ教室をしているのだから、
仕事で汗をかいて、ジムのお風呂を使用して入浴を済ますことだってあるだろうと思った。
「達郎!ごめんなさいね…寂しかったでしょう?」
達郎の手を振り払い、クルリと振り返ると、
真弓は、この半年でかなり身長が伸びた息子を抱きしめた。
「別に寂しくはなかったよ
学校の勉強の予習と復習もしないといけないから」
達郎には学業を頑張らないと夜のお相手はしてあげないと、口を酸っぱくして言い聞かせていた。
そのお陰で中間テストでは学年トップに躍り出た。
だが、てっぺんを取ってしまうと、あとが大変だった。
成績を落とさないためには予習と復習がかかせなかったからだ。
学習塾や家庭教師を付けるような余裕はないので、
そんな奴らに負けないためにはスマホゲームなどにうつつを抜かす事は出来なかった。
「あなたは自慢の息子よ…」
そんなあなたをほっぽりだして、男とラブホで遊んでいた母さんを許してね…
そんな懺悔の意味を込めて、真弓は自分から達郎にキスをした。
「母さん…」
「夜も遅いけど…お母さんを好きにしてもいいのよ」
「母さん!」
達郎は待ちに待った月に一度だけの時間が始まるのだと、
母の真弓を強く抱きしめた。

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