この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
家は檻。〜実父の異常な愛〜
第6章 答え合わせ
それからというもの、“夜”はもう、時間の名前ではなくなった。

居間、台所、風呂場。
家のどこにいても、背後に影を感じるようになった。

炊飯器の湯気が上がる間に、背後から腰を抱かれる。
食卓に並ぶ皿のすぐ脇で、裾をまくり上げられる。
浴槽に浸かる前に、濡れたままの髪を引かれる。

日常の中に潜むそれは、こよみに「逃げ場」という概念を奪っていった。

生理の日は「咥えろ」と言われる。
こよみの唇が、責任を果たす場所になる。

コンドームは、確かにつけられている。
けれどそれが、こよみを守ってくれるものではないことは、もうわかっていた。

夜という時間、部屋という空間――
そうした境界が曖昧になったことが、じわじわと心を蝕んでいく。

学校だけが、境界の外だった。
ここではまだ、「少女」の仮面をかぶっていられる。
笑って、頷いて、勉強して……普通の子として過ごせる。

でもふとした拍子に思う。
これは演技なのではないか。
本当の自分はもう、穢れてしまっていて、
この笑顔も、この声も、この居場所も――
全部、嘘でできているんじゃないか。

そう感じたとき、世界の全てがうすいガラスのように思えて、
そっと手を伸ばせば割れてしまいそうだった。

でもその学校も、一歩外に出れば、商店街の誰かが見ている。
「こよみちゃん、仲良しの男の子と一緒だったわよ」
その何気ない一言が、罰となって返ってくる。

こよみの世界は、
「目に見えない縄」で足首を縛られたまま、
いつ崩れるとも知れない床の上で歩くような日々へと変わっていった。
/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ