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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城
カイルは私の目の前に立つと、面白がるように微笑みながら、私の顔を覗き込んできた。

「なるほど。とても美しい。さすがは王女だ。」

指先が私の顎に触れ、ぐっと持ち上げられる。

冷たい金の指輪が頬に触れたとき、身体がぞくりと震えた。

それでも私は、唇を噛んで抗った。

だが次の瞬間、男は何のためらいもなく、私の唇に自らの唇を重ねてきた。

「……んんっ!」

拒絶の声も飲み込まれ、わずかに押しつけられた唇が私の震えを増した。

その口づけは一方的で、支配を誇るかのように深く――けれど、どこか熱を持っていた。

私は目を開けたまま、横に立つゼノを見た。

だが彼は、ただ黙ってうつむいていた。拳を固く握りしめ、指の関節が白く浮かんでいた。
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