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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城

「第一王女。名前はリュシア・エルディアです。」
媚びるつもりはなかった。
この身体を奪われようと、王国を滅ぼされようと、誇りまで失うわけにはいかない。
その男――カイルは、面白そうに眉を上げた。
「ほう、王女自ら名乗るとは……血筋にしては、なかなか気骨があるな。」
私は視線を逸らさず睨み返す。
だがその瞬間、ふと横目に見たゼノが――視線を伏せたまま、顔を上げようとしないことに気づいた。
彼の瞳は、石の床を見つめたまま沈黙していた。
誇らしげに戦利品を差し出した男の顔には、なぜか悔恨に近い影が差していた。
まるで、自分の手で壊してしまったものの価値に、今さら気づいたかのように。
私はほんの一瞬だけ、その横顔から目が離せなかった。
媚びるつもりはなかった。
この身体を奪われようと、王国を滅ぼされようと、誇りまで失うわけにはいかない。
その男――カイルは、面白そうに眉を上げた。
「ほう、王女自ら名乗るとは……血筋にしては、なかなか気骨があるな。」
私は視線を逸らさず睨み返す。
だがその瞬間、ふと横目に見たゼノが――視線を伏せたまま、顔を上げようとしないことに気づいた。
彼の瞳は、石の床を見つめたまま沈黙していた。
誇らしげに戦利品を差し出した男の顔には、なぜか悔恨に近い影が差していた。
まるで、自分の手で壊してしまったものの価値に、今さら気づいたかのように。
私はほんの一瞬だけ、その横顔から目が離せなかった。

