この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城

やがてカイルが唇を離し、舌をひと舐めして吐息を漏らした。
「ふぅん……なかなか味がある。」
その声音には明らかな欲と、弟を試すような意図が滲んでいた。
「おまえ……この女を気に入っているだろう?」
その言葉に、私の心臓が跳ねた。
まさか……ゼノが、私を?
私はゼノを見た。だが彼の目は、依然として床に落ちたまま動かない。
そして、静かに口を開いた。
「兄上の仰せのままに。」
一瞬、何かが砕けたような音が胸の奥で響いた。
その声は従順で、冷たく、どこまでも騎士らしい――
だが、そこには確かに葛藤があった。
見ないようにしていた何かを、飲み込んでしまった男の声音だった。
カイルはそんな弟を見て、くつくつと笑った。
「ふぅん……なかなか味がある。」
その声音には明らかな欲と、弟を試すような意図が滲んでいた。
「おまえ……この女を気に入っているだろう?」
その言葉に、私の心臓が跳ねた。
まさか……ゼノが、私を?
私はゼノを見た。だが彼の目は、依然として床に落ちたまま動かない。
そして、静かに口を開いた。
「兄上の仰せのままに。」
一瞬、何かが砕けたような音が胸の奥で響いた。
その声は従順で、冷たく、どこまでも騎士らしい――
だが、そこには確かに葛藤があった。
見ないようにしていた何かを、飲み込んでしまった男の声音だった。
カイルはそんな弟を見て、くつくつと笑った。

