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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第1章 堕ちた城
「せっかく連れてきた戦利品だ。ゼノ……おまえもこの唇を試してみるといい。」

――信じられなかった。

まるで、私はただの“物”のように扱われていた。

王女としての尊厳も、女としての感情も、すべて踏みにじるような言葉。

「そんな……っ」

私は思わずカイルを睨みつけた。

怒りで震える視線を真正面から受け止めた彼は、興味深そうに首を傾げただけだった。

そのときだった。

「……貴様。」

声にならない声を吐き出すより先に、ゼノが一歩前に出て、私とカイルの間に立った。

「ゼノ……?」

私は彼の背中を見上げた。

彼は静かに答えた。

「仰せのままに。」

その言葉があまりに機械的で、私は思わず目を見開いた。
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