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社長は彼女の“初めて”を知っている
第2章 一夜
「……あっ」

思わず喉の奥から声が漏れる。

熱くなっていたそこに、優しく滑り込んでくる感触。

「……ああ、もう蜜でトロトロだ。」

加賀見さんの低い声が、余計に体を熱くさせる。

次の瞬間、彼の顔が私の足元に近づくのがわかった。

吐息が、触れていないのに肌を撫でるように感じられて──

「……ああ……」

言葉にならない感覚が、下腹部から駆け上がってくる。

彼の指が、舌が、
まるで私のすべてを知り尽くしているかのように、丁寧に、優しく、私の奥をほどいていく。

自分の体なのに、自分じゃないみたい。

ふと足元に視線を向けると、そこには真剣な表情で、私のためだけに動いてくれている彼がいた。
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