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第2章 一夜

やがて彼は私をそっと抱き上げて、枕元へ寝かせた。

髪を整えてくれて、目を覗き込む。

「……怖くないか。」

私は首を横に振った。

不安もある。痛いかもしれない。泣くかもしれない。

それでも──この人にだったら、委ねてもいいと思った。

「……全部、教えてください。“愛される”って、どういうことなのか。」

その言葉に、彼は一度だけ瞬きをして、そして、やさしく微笑んだ。

「教えてやるよ。お前だけに。」

加賀見さんの吐息が、耳元でそっと触れる。

「……ん」

その微かな熱気に、体がびくりと反応した。

触れられていないのに、触れられたような錯覚。

彼の気配だけで、私の体は確実に変わっていく。

そして──
彼の指先が、私のもっとも敏感な場所へと触れた。